ソーロンアンガマー

ソーロンアンガマー

アンガマーは大きく分けて石垣島の四カ字を中心に行われている氏族によるアンガマーと離島や農村で行われているアンガマーの二つがあります。

石垣島のアンガマーでは、多くのところで「ウシュマイ(翁)とンミー(姥)」が、ファーマー(子孫)呼ばれる花子たちを引き連れてグソー(あの世)から現世に現れ新盆を迎える家々などを訪問。珍問答や踊りなどで祖先の霊を供養する。 一方、竹富島や黒島など離島のアンガマーはウシュマイ、ンミーは出てきません。

家々を訪問しても、庭先で輪になって踊るだけ、珍問答はありません。歌詞や踊りの形式などは、離島系のものが古い形と考えられています。

旧盆(旧暦の7月13日~15日)に行われるアンガマーは、ソーロン(旧盆)アンガマーと呼ばれ、他に三十三回忌(フーシューコー)アンガマー節(シチ)アンガマーなどと区別される。
 

アンガマーの名前の由来

アンガマーの名前の由来やいつごろから始められたのかは不明な部分が多いようで、
一説には「アン」は姉や母、「ガマ」は「~ちゃん」などの接尾語であったり、お面のことをさす言葉であったり、分家に用いる場合も有る。

  • 姉という意味
  • 母の意味
  • 「○○ちゃん」などの接尾語
  • お面をさす意味
  • 分家の意味
  • 無縁仏、施餓鬼の意味もあるらしい

アンガマーの訪問先

ウシュマイとンミーはクバ(ビローやしの葉)の扇を手にし、花子とともに、独特の裏声で珍問等をしながら、家々を訪問する。
訪問先は、今年新盆を迎える家を中心に、新築の家などさまざまであるが行く先は、前もって打ち合わせが有り、突然訪問ということは無い。

八重山毎日新聞など、前日には訪問先の住所氏名が掲示されるので、絶対に見たい!という人は要チェック。
新聞のチェックを忘れちゃった!という人には、道に出てソーっと耳を澄ませてみて。どこからか、三線と笛の音色が響いてきます。 その音を頼りに探して見るといいかも。

アンガマーに質問したい

アンガマーの一行は、旧盆の3日間、日が沈む夕方ごろから始まり、一日に3~5件のお宅を訪問する。
一軒 の訪問時間は、約45分~1時間程度。アンガマー一行の人数は20名程度。
ウシュマイ、ンミーは面をファーマーは、顔を手ぬぐいなどで覆い、頭には花をあしらったクバ笠をかぶり、踊り隊と三線などの地謡(じかた)と踊り子の構成。
珍問答は、あらかじめ観客の中に桜が入り、ウシュマイとンミーに質問をする。
質問内容は、打ち合わせされているようだが、即興で即答しているように裏声で演じ見物人を笑わせる。
仏壇の飾り棚の数、線香の数の意味、死後にどこに行くのかなど、お盆に関する質問が多く出る。

質問する人は、布などで顔を隠したり、建物の影に隠れて裏声で質問する。
どうして、そんなことをするのか?
「ウシュマイとンミー」は、あの世(グソー)から、いらした方。顔を見られたら、グソーに連れて行かれるからということです。
基本的には、質問は見物人のどなたがしてもOK。ただし、顔を隠して裏声でお願いします。

アンガマーの面


  • 無縁仏が、門前のお供え物を拾うときに、恥ずかしいから面を被って拾ったという説。
  • ターダーヤーという家の老夫婦が祖先の霊と一緒に飢餓を供養したことに始まったという説。
  • アジア(中国)あたりから伝わってきたという説があり、どちらにしても不明である。 また、いつごろから始まったかという定説もなく、ウシュマイとンミーが登場したのは19世紀後半から20世紀初頭と推定されています。

アンガマーを見学したいのだけれど・・・

アンガマーは旧盆の祖先供養と施餓鬼供養など含めた八重山独特の行事で、
かしこまったものではなく、地元青年会を中心にしたメンバーで構成された、オープンなもの。
アンガマーが訪問する家々は、前日の新聞でタイムスケジュールが発表。
それを目安に、庭先などで見学するのは自由(ただし、マナーは守ってくださいね)。
家の人にお願いすると、もしかして、家の中で見学することもできるかも。

余談

沖縄では旧盆の仏壇へのお供え物の中にサトウキビがあります(一部地域を除く)
30cmの数本、90cmぐらいの2本
30cmの短い方は、ご先祖の精霊があの世(グソー)へ帰る際、無縁仏などに配りながら帰るのだそうです。
また、長い方はグーサンウージといい、帰りに転ばないように、杖にして持たせるのだそうです。

ソーロンアンガマー

アンガマーの一行は、訪問家庭に着くとまず、仏壇にウートートー(拝み)を始める。
それから、花子たちの踊り、ウシュマイとンミーの踊りが披露される。
そして、ウシュマイとンミーの珍問答が始まる。
最後に、家の人も巻き込んでカチャーシーが始まり、アンガマー一行は次の家へと移動する。
旧盆の三日間行われあの世からの使者アンガマーはあの世に帰るウークイの日の日付が変わる前に訪問を終え、アンガマーの行事は終わる。