星砂

十二支の子の方角(北)にある星を父星、 午の方角(南)にある星を母星と言います。

ある日、母星は子供を生みたいのだけれど どこで生んだら良いのかと天の大明神に相談しに行きました。

すると大明神は、しばらく地上を見渡して、 竹富島の南に美しい珊瑚の海を見つけました。

そして、「出産には、竹富島の南の海がよいであろう。」 と教えてくれました。

母星は、言われたように竹富島の南に降りて沢山の 子供を産みました。

しかし、海の神七龍宮神は「私に何の断りもなく勝手に 子供を産むのは許せない。」と、大変怒ってしまいました。

そして、自分に仕えている大蛇を使って、星の子供達を全て噛み殺させました。

大蛇に噛み殺された子供星達の死骸は小さな星の形となってしばらく海を漂い 竹富島の南にある東美崎(アイミシャン)の浜に打ち寄せられました。

これが星砂です。

東美崎の神女は打ち上げられた死骸を見てとてもかわいそうに思い、 天国に帰そうと考えました。

そして神女は、集めた星砂を御嶽の香炉に入れました。

香炉に入れられた星砂達は、祭りの時に神司の焚く香の煙とともに天に昇ってゆきました。
そのことより、竹富島では年に一度の祭の際、必ず香炉の星砂を入れ替えるそうです。

こうして南の母星の傍には沢山の子星が輝いているのです。