犬と香炉

むかーしむかし、犬は3本足で生まれてきました。
歩くことが非常に不自由で食べ物を探すのにも苦労していました。

ある日、神様が犬の近くをお通りになりました。犬は大変喜び、思い切って神様にお願いいたしました。

「神様お願いです。3本足では歩くことも不自由で食べ物を探すのも大変苦労しております。もう一本足を下されば、自由に歩いて食べ物を求めることができます。どうぞ、お願いです。神様のお力でもう一本の足をお恵みください」

神様は、犬のことがたいそうふびんにおもいすぐに、なんとかしてやろうと考えた。 そして、 4本足のある香炉をお呼びになり、こう話した。

「香炉よ、お前は3本足でも不自由はない。お前の役目は充分にはたせるから、3本足で困っている犬に足を1本あげてはどうだろうか?」とお尋ねになった。
香炉は、神様の話を快く聞き入れ、一本の足を神様に差し上げました。

神様より新しい足を1本頂いた犬は大変大喜びしました。

それからは、自由に歩くことが出来るようになり、犬は神様から頂いた足を大事にし、おしっこをするときには、神様からいただいた大事な足をぬらしては申し訳ないとおもい、片足を高く上げておしっこをするようになったそうです。