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 久々の「島唄めぐり」の更新となります。筆者は学習塾を経営しているため受験の追い込み期の12月から3月まではかなり忙しくなります。このコーナーを楽しみにしていた読者の方々をお待たせしてすみませんでした。これからは、できるだけ月に一曲は紹介していきたいと思います。

 さて、今回は祝いの座でよく耳にする「目出度節(めでたいぶし)」を紹介いたします。この唄は1843年に宮良村で生まれました。当時、総横目兼与人(そうよこめけんゆんちゅ)であった大浜用登(おおはま ようと)という役人が結願祭を記念して作詞・作曲したものだと伝えられています。

目出度節

  原歌)  訳)
1. 今年作たる稲粟や
( クトゥシチクタル)

実りでぃきたる面白ゑ
( ミヌリディキタル ウムシルエ)

[ 囃子]
めでたい めでたい すりすり めでたい
 今年作った稲と粟は


実りできたね 面白い程に
2. 年貢上納は不足なくに
(ニングジョウノウハフシクナクニ)

捧ぎ上ぎたる誇らしゃや 
(ササギアギタル フクラシャヤ)

[ 囃子]

 年貢上納は不足せずに


献上したことは誇らしく嬉しい
3. 捧ぎ残いや数多ありて
(ササギヌクイヤアマタアリテ)

酒や神酒とぅむ造りとうてぃ
(サキヤミキトゥムチクリティ)

[ 囃子]

 献上した残りが余分にあるので


4. 今日ん明日にん遊ぶ嬉しゃ
(キュウンアチャニンアシブウリシャ)

彼りに三四とぅ此に五六
(アリニサンシトゥクリニグルク)

[ 囃子]
 今日も明日も遊べるなんて嬉しいね


彼方にサミ三四 此処にも五六
5. 遊び歓いや踊いしゃびら
(アスビアマイヤブドゥイシャビラ)

兎呉夏ぬ御代や宮良村に
(ウグカヌミユャミヤラムラニ)
遊び歓んで踊りましょう


不動の御代を宮良村に迎え入れよう

 歌詞の一番から詳しくみていきます。琉球王府時代に、八重山地方は人頭税という厳しい税制により農民たちは苦しんでいました。15歳から50歳まですべての男女に課せられ、収穫量に関係なく毎年一定量納めなければなりませんでした。八重山地方は御存知のように数多くの台風が襲来します。

農作物が期待していた量を収穫できるのが稀でした。ですから、この唄の作られた年のように稲や粟の農作物が自然災害の影響を受けずに実り、面白い程の豊作を迎えられたということは、農民たちにとって心から嬉しく飛び上がりたいくらいの感激だったにちがいありません。

その農民たちの喜ぶ姿を見て、大浜用登は「今年作った稲や粟は面白いように実り、五穀豊穣を迎えられた。めでたい、めでた。」と作詞したのだと思われます。

歌詞の二番「年貢上納は不足なく献上しました。本当に喜ばしく嬉しい限りです。」と歌われています。「誇らしゃや(フクラシャヤ)」という島言葉ですが、「ただ嬉しい」という意味だけでなく、「誇らしい」という農民たちの宮良村に対する「賛歌」の気持ちが現れています。

 歌詞の三番「収穫物は献上した他にも余分なものがあるので、村人みんなが飲む酒や神に捧げる神酒(みき)を醸造しましょう。」と歌われています。「目出度節」の歌詞は漢字交じりの歌詞を見れば、言葉の語尾が多少方言の言い回しになっていても比較的容易に理解できるのではないでしょうか。

歌詞の四番目「今日も明日もしばらくは遊んで暮らせる。酒を飲みながらサミをして遊びましょう。」と歌われています。「彼に三四とぅ、此処に五六」は中国から伝わった酒座の遊びを言っています。「向こうにサミをする人が三四人、ここにも五六人はいる。みんな楽しそうだね。」という意味が込められているのだと思います。

酒座の余興としてはナンクなどは日本本土でもやっていたようですが、沖縄では同じく中国から伝わったサミが盛んに行われていました。サミとは、酒の前座でのジャンケン遊びをいいます。ナンクとは、短く折った箸などを手の中に握って差し出し、何個入っているか、その数を当てる遊びです。

歌詞の五番目「遊んで嬉しいし、踊りもしましょう。この収穫が安定した不動の時代を宮良村に迎え入れましょう。」と歌われています。歌詞の中の「兎呉夏ぬ御代」は中国の王朝時代が安定して栄えていた兎・呉・夏を例えてして引用して作った表現です。それで「兎呉夏(動か)ぬ」と読ませています。

安定した不動の時代の例えです。そのような時代がわが宮良村に来ますようにとの村の農民たちの切実な願いが感じられます。

この「目出度節」の原歌とは別に替え歌として「松竹梅」の歌もありますが、今回はその唄の解説は省略いたします。


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