工房では、ちょっとした置物に人気のかわいいシーサーが並んでいた。
「はじめまして・・・」の挨拶のあと、まず、聞きたかったことを聞いた。
「あのー、ふうがまちいなぶっかの意味を教えてください」
「奄美大島の方言で、『でっかいあたまにちっちゃなおしり』という意味だよ」
とニコニコしながらご主人。
思ったとおり、面白い意味が隠されている。
ご夫婦で運営する工房は、晴れの日限定の営業。
日が昇って、沈むまでが一番大切な時間。
工房見学も晴れの日限定で行われている。
「雨が降ると、作業も天日干しもできないし、開店休業なんですよ」
確かに。あくせくせず、おおらかにつくるから、見ているだけでも癒される、かわいらしいシーサーができるのでしょうね。
丁寧に彩色されたシーサー達が、かわいらしく、一見米子焼のシーサーに似ている。
「ん?一瞬、米子焼?」と、思い、質問してみると、独立して工房を開いたとの事。
「石垣島の土を使い、土作りから形成、焼きまで全てこの工房で行っています。
窯もみてみる?」
との、誘いに、焼き物に非常に興味のある私としては、思わず「ハイ!!」と、大きな返事。
自宅兼工房の裏に回ると、しっかりと焼き釜があった。
「一度に大量には焼けないけれど、しっかり乾燥させてあるから重ねても
しっかり焼きが入るし、夫婦二人で作っているからこのぐらいの窯で十分。」
「シーサーは元来、家の守り神として重宝されてきましたが、最近では、インテリアとしてまた、アクセントとしてお土産として人気が出てきています」と、奥さん。
こんな、かわいらしいシーサーなら是非パソコンの上にでも置いて、変なウイルスが入らないように番をしてもらいたいものである。
-「たくさん種類がありますが、今、何種類ぐらいあるのかしら?」
「現在40種類ほどの仲間がいます」
棚の上には、ずらりとお仲間達が集合。
こっちを見て、まるで、ペットショップのワンちゃんたちが、
ガラス越しにしっぽをふっているかのように、ニコニコしている。
-「一体つくるのに、どのくらいの時間がかかるのかしら?」
「小さいものだと、約2週間ぐらいでできます。
大きいものだと一ヶ月以上かかります」
「小さいものは、型抜きでつくりますが、大きいものになると、
てびねりで制作するので、すぐには作れません」
-「てびねり制作となると、同じものは二点とない一品物になるんですか?」
「てびねりでも、サイズも形も、ほぼ、同じですね。
工房のシーサーたちは、一体一体手書きの彩色だから、
同じ表情のシーサーはないよ。ほんの少し、微妙に違います」
-「一般の人が作業工程など見ることはできますか?」
「工房見学など、受け入れています。
また、彩色もやってみたいという希望者には、
教えながらやってもらっていますよ」
せっかくなので、作業風景も見せてもらいました。
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