トップイメージ

4代目となったきっかけ

糸洌長章さんが三線と出会ったのは今から43年ほど前、当時19歳の頃に三線を触り始めました。その当時、糸洌さんが使用していた三線にひびがはいってしまい、その三線を修理にださず自分の手で直してみようと思ったことが三線を作り始めたきっかけ。
【プロフィール】

糸 洌 長 章

沖縄県石垣市在住

糸洌三線屋 代表者

作業

三線の歴史
大陸から琉球へ 文化の伝来
三線の原型は大陸(中国)で生まれました。定かではありませんが、14世紀~15世紀の沖縄県がまだ「琉球」という国だった頃、中国からの冊封使(さっぷうし)によって三弦(サンシェーン)が持ち込まれたと考えられています。
そして長い年月の間に工夫や改良が加えられ、琉球音楽の主要楽器となり、沖縄音楽を一変させるに至りました。
なんと17世紀初頭には琉球王府に三線主取(ぬしどり)という役職まであったそうです。三線主取とは、現代で言う役所の課の一つで、三線を制作する専門の課です。初めは宮廷楽器として身分の高い人(それも男性のみ)しか演奏できなかった三線ですが、時代が流れ、一般庶民にも普及しました。


作業 作業
   
作業 作業
   

八重山上布をつくるには 三線は基本的に、棹、胴、絃によって出来ている。

 

①竿の加工と漆塗り
竿で重要なところは、野の勾配だと言われている。
真っ直ぐにすると糸が竿に触れて振動が消されるので、竿の中程は凹ませ、上部と下部凹状にする。
そして次に漆塗りである。漆塗りは水ペーパーで研ぐ「水研ぎ」⇒「中塗り」⇒「中研ぎ」などを行ない、最後に「上塗り」をして仕上げる。

 
作業
 
   
 

②胴の加工と胴張り
胴の加工は、チャーギ(イヌマキ)、クヮーギ(桑)、クスヌチ(楠)、イジュウの木などの木材を4枚つなぎにして仕上げる。そして次に胴張りである。胴張りにはニシキヘビの皮を使う。
皮を30cm平方の大きさに切り、一晩水に浸けて柔らかくし、金属製の輪に張る。それを胴に組んで、皮張り器で皮を伸ばしていく。

 
作業
 
   
 

組み立て
棹と胴を組み立て、絃を取り付けると完成である。
そして、絃が棹に触れる野の面と絃の高さを専用の定規をあてて調節する。この作業を「ブーアティー」と呼ぶ。ブーアティーは三線の音程に影響を及ぼす大事な作業である。

 
作業
 
   
 

④完成
制作期間は早くて約2ヶ月。
大掛かりな手作業を経て仕上がった三線の音色は別格です。

 
作業
  
作業
作業
作業


 【取材協力】糸洌三線屋 〒907-0023 沖縄県石垣市石垣501-1 TEL:0980-83-1734 FAX:0980-83-1734
       PHOTO:武藤 剛明  記事:嘉数 将

 
掲載日 2008年7月29日   
島ではたらくトップに戻る 島で働く人々トップへ戻る
Copyright(C) 検島誌.com All Rights Reserved