石垣島、八重山諸島近海で釣れる魚たちを紹介します。

【アーラミーバイ】
科:ハタ科
和名:まはた
英名:Spangled Emperor

大きな口の両アゴに針山のような鋭い歯と、さらにホホの内側にもノコギリ状の歯を備えた、どん食漢代表のような魚。岩かげでエサを待ち構え、ときには自分の体と変わらないほどの大きい魚にも襲い掛かる。身は適度に脂けがあり、美味なところが「ミーバイ」たるゆえん。とくに吸い物にすると最高においしい。

【調理方法】
魚汁におすすめ
【えさ】
グルクン、サンマ、ムロアジ、カタカシ

【サヨリ】
科:サヨリ科
和名:さより
英名:Black-barred Garfish

初夏を迎えるとサヨリが水面をハネるようになる。下あごが尖っていて、先が口紅をぬったように赤い。 「海のクイーン」といわれるゆえんである。しなやかで銀色に光る透き通るような魚体はいかにも弱々しく女性的だ。 八重山には6種類ほど生息しているようで、一番大きくなるものがアヤバユ(ホシザヨリ)。体に黒い紋がついていて、紋付(もんつき)とも呼ばれる。最大で50cm、腕くらいの太さにもなる。

【調理方法】
さしみ、寿司、塩焼き、天ぷら
【えさ】
オキアミ
∴緊急脱出!?
サヨリ釣りは当たりが判るようになるまでは非常に難しいと感じる。アタリなのか風なのか波なのかどうかの判別が微妙なのだ。 サヨリはどうやらあまり頭の良い魚ではないらしく、エサをくわえても急に動くようなことはなく普通にそのまま泳いでいる模様。 エサをくわえたそのときにアタリウキが横にすーっと動く。それを見逃すことなく竿を合わせると海面をバシャっと跳ねる。その後は左右前後に闇雲に飛び跳ねようとする。 ホシザヨリの場合はとりわけ勢いが激しい。大暴れした挙句に糸を切って一直線に50mほど海面を飛んでいく姿はさながら緊急脱出のようだ。 稀に脱出する方向を間違え、陸に向かって水面をひた走り、陸上に乗り上げてしまうものもいる。

【カチュー】
科:サバ科
和名:かつお
英名:Skipjack

全長50cm程で紡錘形の体をしている。摂氏19 ~23 度程度の暖かい海を好み、南洋では一年中見られる。大きな群れは黒潮にのって大回遊し、4~5月頃、八重山諸島にやってくる。 夏の到来を告げるその年初めてのカツオの水揚げを「初鰹」(はつがつお)と呼び、珍重される。


【調理方法】
さしみ、タタキ、煮付け
【えさ】
オキアミ、キビナゴ

【カマサー】
科:カマス科
和名:かます
英名:Barracuda

鋭い歯をもつフィッシュイーター。
2m近い大型から小型までいて、大型のものは人間も襲うと言われ気性は非常に荒い。そのため『海のギャング』とも言われる。体は細長く、頭も長い。昼間は中層を泳ぐが、夜は表層まであがる。大型はシガテラ毒魚としても知られているが、八重山近海のものは支障はないようだ。

【調理方法】
塩焼き、粕漬け、フライ

【えさ】
サンマ、ムロアジ

∴シガテラ毒とは?
シガテラという言葉は、カリブ海に住むシガ(Cigua)と呼ばれる巻貝に由来すると云うが、熱帯および亜熱帯海域の主としてサンゴ礁の回りに生息する毒魚によって起こる死亡率の低い食中毒の総称。本来は無毒な食用魚が時として毒化する現象だ。
主たる原因はシガトキシン。シガトキシンは、海藻に付着する渦鞭毛藻(うずべんもうそう)と呼ばれるプランクトンの一種によって生産され、食物連鎖によって魚の毒化が起こる。
フグのもつ毒テトロドトキシンの20倍もの毒性を有するらしい。
シガテラ中毒の症状としては、手足、口の周りの感覚異常、めまい、運動失調などの神経系障害を主とし、下痢、腹痛、関節痛などが見られる。
また、冷たいものに触れると、ドライアイスに触った感じや、電気ショックのように感じるようになること(ドライアイスセンセーション)もある。 死亡率は低く、日本国内での死亡者はいないが、回復は一般的に遅く、完全回復まで半年~1年ほどかかることもある。
一般的にシガテラ毒魚として知られる魚は、バラフエダイ、イッテンフエダイ、ドクウツボ、サザナミハギ、オニカマス、マダラハタ、ギンガメアジ、ナンヨウブダイ、ヒラマサ、カンパチ、イシガキダイなど。