アマハジ

アマハジ 沖縄の伝統的な民家の特徴として、屋根が低いこと、屋根の端が建物から大きく張り出していることが挙げられます。

屋根が建物から張り出した部分、いわゆる軒と軒下の空間をアマハジ(雨端)と云います。

アマハジの奥には廊下がある場合が多く、廊下の手前に雨戸、奥に障子が入ります。
台風の際は、さらに雨戸の外側に板を張るようです。

沖縄の強烈な夏の日差しに対し、アマハジを設けることで、直射日光を遮り、涼しく保つことができます。

また、台風などの横殴りの雨風が室内に入り込むのを防いでくれる役目も果たします。

ところで昔の沖縄の民家には玄関がなかったので、客はアマハジから室内に上がっていました。
上がらずにそのまま板の間に腰掛けて、茶飲み話を楽しむ風景も見られました。

アマハジは室内なのか、室外なのか、その認識は曖昧で、いわば内と外とが交流する緩衝地帯であり、外来者との接客の場でもあったのです。

アマハジを支える柱には、チャーギ(槙)などの自然木が根株付きで使われています。

アマハジが作り出す陰影は、沖縄民家の愛すべき個性のひとつと言えるでしょう。