夜の外出や登山に出かけるときは、キケン生物の知識や応急処置などの方法を覚えておくように心がけましょう。

【サキシマハブ】

サキシマハブ
薄い茶の地にこげ茶の斑紋。
まれに全身が赤っぽいものも。
あごが張り頭が三角形。
八重山諸島のうち、石垣島、竹富島、
嘉弥真島、 小浜島、黒島、西表島に生息。
集落から山地、草原、水辺、農耕地に住む。
体長は大きいもので約120cm。


【応急処置】
1.まず、あわてずに、サキシマハブかどうか確かめましょう。
サキシマハブなら牙のあとが普通2ヵ所あり 、 5分もしないうちに腫れてきてすごく痛みます。
2.サキシマハブだとわかったら、大声で助けを呼び、病院へつれて行ってもらいましょう。
走ると毒の回りが早くなります。車、もしくはゆっくり歩いて 行きましょう。
3.傷口から毒を吸い出します。
口の中に傷があると軽い炎症を起こすこともありますが、 心配いりません。また、飲み込んでも、 胃の中で消化分解されるので問題ありません。
4.病院まで時間がかかる場合、指が一本入る程度にゆるく縛ります。
咬まれた部分より心臓に近い部分を、血の流れを減らす程度に縛ります。あまり強く縛ると逆効果になることもあります。15分に一回はゆるめましょう。

【ハブについての誤解を解く】

・八重山列島では、年間を通して温暖なため、ハブは冬眠しません。
・生まれたときから既に毒を持っています。
・ハブはジャンプすることが出来ないので、 1メートル以上離れていれば攻撃範囲外です。
・音が聞こえないヘビは、口笛に引き寄せられません。
・ハブは近づいても逃げない場合がありますが、人を追いかけません。
・咬まれてから数時間経ったあとでも血清注射の効果があります。
・ハブは硫黄やホウセンカを嫌いません。
・ハブは、現在いない島でも増えるかもしれません。また、いない島の砂も嫌いません。
・アカマタのいるところにもハブはいます。
・咬まれた傷口から口で毒を吸うとき、虫歯があっても、毒を飲み込んでも大丈夫です。
・いろいろなヘビを「ハブ」と呼ぶ人もいますが、標準語ではまとめて「ヘビ」といいます。
・牙を取ったハブにも注意しましょう。牙は年に数回生えかわります。

【イワサキワモンベニヘビ】


赤と黒の縞模様。
コブラ科の毒ヘビだが、毒は弱い。
石垣島と西表島に生息。
口が小さく、また、おとなしいため、
人を咬むことはまれ。
つかまえると、しっぽを押し付けるという
めずらしい行動をとる。
体長は40~80cm。
現在、個体数が少なく、見かけることは稀。


【ヒメハブ】

灰褐色もしくは茶褐色の地肌にチェック模様。
八重山諸島から沖縄諸島に生息。
全長が短い割に体は太く、ツチノコを連想させるような体型。ハブ同様、出血毒ではあるが、毒性は弱い。咬まれると軽い腫れや吐き気、めまいが起こる程度。死亡例はない。
体長は30~80cm。 水辺によくあらわれる。

【トビズムカデ】

胴体は暗藍色で頭部は赤褐色、脚は黄色の日本最大のムカデ。口には一対の毒かぎがある。昼間は、石の下や落ち葉の下、倒木の下などに潜み、夜活動する。毒物質はヒスタミンで、刺されると激しい痛みを伴い、発熱や潰瘍に至ることもある。

【応急処置】
もし咬まれたら、ハチと同様に、抗ヒスタミン剤を含んだステロイド軟膏をぬるとよいでしょう。また、腫れに対しては、氷などで冷やしましょう。

[ 資料提供:八重山福祉保険所 ]