夕方の涼しい風が吹き、空も薄暗くなり始めた頃…
登野城五町内マフタぬアコウ木の下には町内の人々がチラホラと集まり始める。
今回初めて、登野城五町内主催のあがろうざ節大会が開催された。
司会の五町内副会長黒島弘さんのマイクからの呼びかけに、子どもからお年寄りまで徐々に人は増えてくる。

午後7時30分から始まりそれぞれに味のあるあがろうざ節が披露される。
知念清吉さん・下地安子さんによる「あざろうざユンタ」や伊舎堂用八さんによるサックスホーンによるあがろうざ節…
ゲストの仲宗根充さんがあがろうざ節、うるずんの風を熱唱する頃には、観客も100名をこえ大きな拍手と歓声があがる。
会場が盛り上がった頃、飛び入りで大濱長照市長によるあがろうざ節も披露された。

「あがろうざ節」といえば、「月ぬ美しゃ」とならび八重山のファムレウタ(子守唄)として有名である。
歌詞の中に『アガローザぬ真中によー(東方の里の真ん中に)登野城ぬ真中によー(トゥヌスクの真ん中に)』
と歌われていることが、登野城の唄といわれている由縁だとの伝承がある。
そのため、以前から村の長老や町内会から「あざろうざ節大会」の開催の声が上がっていたそう。
あがろうざ節… その優しい旋律、赤子に託すかのような歌詞はこれからも八重山の人々に受け継がれていくのであろう。

 

東里ぬ 真中によ ヨーイ    サーユイサ(以下ハヤシ同様)
  登野城ぬ ユイサ 真中によ    ハーリヌ クーガニー
  九年母ん木ば 植びとゥーし
    香ばさん木ば 差しどゥーし
    九年母ん木ぬ 下なか   香ばさん木ぬ 下なか
     子守りゃ達ぬ 揃る寄てィ   抱ぐなー達ぬ 寄らゆてィ
      子守りゃ達ぬ 言葉ぬ   抱くぐなー達ぬ 物言いぬ
       腕ば痛み 守りひゅーば  肱ば痛み 抱ぎひゅーば


大人ゆなりとーり 高人ゆなりとーり
  墨書上手なりとーり 筆取るぃ上手なりとーり
   沖縄旅受けおーり 
    美御前旅受けおーり
     月ぬ形買いおーり
      星ぬ形買いおーり
        産しゃる親とぅゆまし 守りゃる姉名とぅらし

 

 

東里(村)の真ん中に 
登野城の真ん中に
九年母(の)木を植えてあった 
香り高い木を差してあった
九年母木の下に 香り高い木の下に
子守り達が揃って 抱き姉達が寄り合って
守り達が言うには 抱き姉達が言うには
腕が痛む(ほど)守りしたので 
肘が痛む(ほど)抱いてあげたので

大人になってください 高い人になってください
学問(に)優れてください 
沖縄(本島への)旅(の命を)受けられ 
首里王朝(への)旅(の命を)受けられて
月の形(の模様の衣装を)買ってきて 
星の形(の模様の衣装を)買ってきて
産んでくれた親(を)有名にしなさい
(子)守りしてくれた姉(に)名(を)取らせなさい


会場は登野城五町内マフタぬアコウ木


開演前 から多くの観客

司会者の五町内副会長  黒島 弘

天気も良く晴れ月が出ました

大濱長照市長の「あがろうざ節」


珍しいサックスホーンでのあがろうざ節


あがろうざユンタ


初出場の元気な若手も


会場は観客で埋め尽くされました

アコウギぬ下ぬ「あがろうざ節」 出場者名簿
番号
氏名
備考
出身地
1
砥 板  武 司
町内会長挨拶
登野城一町内
2
玉 那 覇 太 弥
笛:黒島 弘   琴:上地 京子
登野城一町内
3
伊 波   勉 
4
伊 藤  祐 子
下地安子研究所
東京都
5
泉 水  朝 繕
登野城一町内
6
川 上 美 奈 子
登野城五町内
7
半 嶺  栄 和
横笛演奏
字宮良
8
知念清吉・下地安子
あがろうざユンタ
登野城五町内
9
豊 川  善 一
字会長挨拶
登野城五町内
10
伊 舎 堂 用 八
サックスホーンによるあがろーざ節
登野城五町内
11
今 村  尚 樹
黒島弘研究所
字大川
12
ゲスト仲 宗 根 充 
22日父子リサイタルの為帰島
字白保
13
舞      踊
与那国久枝八重山稽古道場
14
黒 島   弘
笛:今村 尚樹  琴:上地 京子
登野城五町内
15
金 城  弘 美
マンヤーぬナカニヤー
登野城五町内