南の島の星まつり

★…南の島の星まつり 2008 in Ishigaki…★

今年も旧暦七夕にあわせ、満天の星空と天の川を見上げようというイベント「南の島の星まつり2008」が開催された。
昨年は台風で中止、一昨年は天候不良のため屋内での開催と3年ぶりの野外開催に市民や観光客など数多くの
人々が集まった。
あいにくの曇天で満天の星は見ることができなかったもののなんとかもちこたえて星まつりは大盛況となった。

全島ライトダウン星空観察会をはじめ、地元歌手夏川りみなどによるステージショー・星まつり天体望遠会・星まつり
写真展・星まつり記念講演・国立天文台施設公開と様々なイベントが盛りだくさんとなった。

南の島の星まつり

まだまだ日が高く暑さが残る夕方、石垣港新港地区サザンゲート公園には人々が続々と集まり始めた。
サザンゲートブリッジは一般車両は通行止めとなっていたため、徒歩や自転車で橋をわたる人の姿が目立った。
エコをテーマのひとつとしている為、会場内はNOアルコール!NOスモーキング!
約15店舗の出店がされていたのだが、みつろうによるまきまきろうそく作りやマイバックづくりなど実際に体験できる
コーナー、またオヤケアカハチ韓国公演にむけての父母による出店など… 様々な
ジャンルの出店に訪れた人々が興味深くのぞきこみ、列を作っていた。

サザンゲートブリッジ
みつろうろうそくづくりコーナー
オヤケアカハチ出店
自転車で徒歩でタクシーで集まる人々
まきまき…まきまき…ろうそく作り
まだまだ暑い中、マンゴー氷が美味!

舞台では、午後6時からnora、石川清貴、夏川りみ、石垣市天の川大使のSkoopOnSomebodyがステージを盛り上げ
ており8:30からのライトダウンにむけて観客達のボルテージもあがっていった。
途中、雲行きがどんどん怪しくなり機材にビニールがかけられる場面もあったり、地元歌手夏川りみさんの「雨女と
よばないでね~!」
の声に会場からは笑いが起こったりと空模様が心配されたが何とか持ちこたえた。

曇り空
七夕かざり
夏川りみ
名蔵方面に厚い雨雲が…(ToT)
会場には七夕飾りも…
みんなの願い天まで届け!
夏川りみによる「満天の星」「童神」
優しい歌声に酔いしれた
会場内には8台の望遠鏡がおかれて、月や木星のを見ることができるコーナーがあり多くの人々がレンズを覗き込だ。望遠鏡の横には祭りスタッフや八重山高校地学部の生徒達により説明がされ、月面のクレーターまではっきり
みえると「すごーい!!」と驚きの声があちこちであがっていた。
いつもはぼんやりと眺めている月が、手に届くようにすぐ目の前に迫ってくる感覚に、子どもからお年寄りまで魅了さ
れているようだった。
月を見るこども
八重高地学部
天体観測
「うわぁ~!」目の前に
宇宙のロマンが広がる…
八重山高校の地学部
ボランティアスタッフのみなさん
「クレーターは隕石がぶつかって
できたんだよ」宇宙ってスゴイ!
プログラム名
日時
内容紹介
会場
星まつり写真展
8/6~8/8
一般公募・NPO八重山星の会によるフォトコンテスト
作品展示・作品表彰あり
市役所玄関ロビー
ライトダウンナイト
8/9(土)
市内の商店や店舗にライトダウンの協力を呼びかけ
イベントパンフやHPで演出を紹介
市内
天文台施設公開
8/9~8/10
石垣島天文台とVERA石垣島観測局の施設公開
10:00~16:00
石垣島天文台
VERA石垣島観測局
星まつり天体観望会
8/6~8/8
要予約 電話 0980-88-0013(20:00~22:00)
石垣島天文台
星空ワークショップ
8/8(金)
NPO八重山の星の会による親子連れを対象にした
ワークショップ
石垣少年自然の家
(予定)

ライトダウンステージショー
&星空観望会

8/9(土)
17:00開場
18:00開演
ライトダウンを呼びかけるステージショーと
ライトダウンしながらの星空観望会
【出演】SkoopOnSomebody・夏川りみ・nora
ジュスカグランベール・石川清貴他
石垣港新港地区
サザンゲート広場
雨天時:市民会館
大ホール

星まつり記念講演会

8/10(日)
13:00開場
13:30開演
「南島の稲作儀礼と星座」石垣繁(八重山文化研究会会長)
「月探査機『かぐや』で見る新しい月の世界」
佐々木晶(国立天文台RISE月探査プロジェクト長)
音楽演奏/ジュスカグランベール
市民会館大ホール

★…星と庶民の生活と…

八重山地方では300年ほど前から星座観測を行い農耕を営んでいたことを示す「星図」と呼ばれる古文書が
あったり、星見石(ほしみいし)という農作業の時期や季節を知るための観察用に使った石があったりと星が生活
と密着していた。
また古謡や言い伝え、ことわざ等の「星の伝説」があることから「星文化の宝庫・八重山」といわれている。
星に関する有名な民謡を紹介します。

てぃんさぐぬ花

訳すると・・
1.鳳仙花の花は 爪先に染めて 親のゆし言(教え)は 心に染めよ
2.天の群星(ぶりぶし)は 数えれば数えられるが 親の教えたことは 数えることはできない
3.夜 走らす舟は 北極星を目印(航海の目印)にする 私を生んだ親は 私を目印(人生目標)にする
4.宝石の玉でも 磨かねば錆びる 朝夕心を磨いて(精進して) 浮世(世間)を渡ろう
5.成せば何事も 出来ることですが 成さぬ故に 出来ないのだ

夕日をバックに
夜店の親子
キャンドルライト
星★
 
★…いしがき島星空宣言…★


わたしたちのふる里いしがき島は、豊かな自然に恵まれています。
満天の星も、わたしたちの祖先に恵をもたらしてきました。
人々は、星の動きで時の移ろいを知り、稲や粟の種をまき、
くらしを育んできました。

星にまつわる民話(みんわ)や古謡(うた)も多く、いしがき島は、星文化の宝庫といえます。

私達の住むいしがき島は、北緯24度20分に位置し、
全88星座のうち、84の星座を観察することができます。
南十字星も宝石のごとくきらめいています。

わたしたちは、満天の星空を大切にし、いしがき島の未来を担う
子どもたちに伝えたい。
地球のどこかで同じように星空を見上げる人々と想いを交わしたい。
何よりこの地球という星を大切にしたいと強く願いをこめて
ここに、いしがき島星空宣言をします。

一 見上げよう、満天の星空を。
一 伝えよう、星の文化を。
一 大切にしよう、美しい星空を。
一 未来へ残そう、豊かな自然を。

取材/撮影 砂川雅世

掲載日:2008年8月10

 
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