とぅばらーま大会

    日程:2008年9月15日(月)
    時間:午後7時開演
    場所:石垣市民会館  
 

毎年、旧暦の8月15日の満月の二日前の「十三夜」中秋の名月の下開催される「とぅばらーま大会」。
今年は9月12日(金)に真栄里公園で開催予定されていたが、台風13号の影響で、15日(月)石垣市民会館 にて行
われた。 この大会は、八重山の代表的な民謡である“とぅばらーま”にそれぞれの歌詞をのせて、その歌唱力を競う
イベントである。 唄者(うたしゃー)は10代から80代のベテランまで、22名。(那覇からの参加者が1名、台風の為残
念ながら石垣にくることができなかった。)
県外かららの参加者もおり、世代も地域も超えての美しい歌声にたくさんの観客が酔いしれた。

とぅばらーま大会

    なかどぅ道ぬとぅばらーま大会
    日時:9月11日(木)午後7時から
    場所:平真小学校体育館
 

「イズスゥドヌス(歌う人が主役)」をテーマとし、だれでも参加できる「なかどぅ道ぬとぅばらーま大会」
例年 「とぅばらーま大会」 の前夜祭としてなかどぅ道のアコウ木の下で開催さ れているが、今年は台風13号が石垣島
に接近したため平真小学校体育館にて開催された 。
コンテスト形式で行われるとぅばらーま大会本選と違い、審査もないこの大会… 本来ならば月夜をバックに自由に歌い
道端に座ってのんびり聞くのが最高なのだが。
しかし、台風の影響で強風が吹き雨も降るなか、市民や観光客のグループが会場に訪れ、熱唱する唄者に大きな拍手
を送り、中には熱心にビデオを撮る姿も見られた。



    “とぅばらーま”とは…
 

「とぅばらーま」とは八重山地方を代表する民謡。 いつ頃から歌われ出したものかは定かではなく、またその語源も 恋し
い男性への呼びかけ「殿原(とぅばる)」「とぶらふ(訪れる)」など諸説さまざまで正確にはわかっていない。
今日では三線の伴奏で男女が掛け合いでうたう男女の恋歌として広く知られているが、もともとは農作業などをしながら
仲間と掛け合いで自由に歌っていた「労働歌」であるともいわれている。
とぅばらーまのメロディーは基本的に一つしかない。その同じメロディーにあわせて、それぞれ自分の想いを即興で歌詞に
して歌うところにとても特徴がある。
「とぅばらーまや、言ずすどぅ主(ぬす)」という言葉があるぐらい、歌う人の思いの数だけとぅばらーまは存在する。


◆元来のとぅばらーまの歌詞◆
とぅばらーま歌詞

昔、石垣島の真栄里村の仲筋家にカナシという名の美しい娘がいた。石垣の士族の青年達はこのこの美しい娘を手に入れたいと競い始めた。夜になると、仲筋家の福木の木陰に隠れてカナシが出てくるのを待ちぶせしていたという。
毎日数人の男達が家の周りに隠れているので、彼女は怖くなり、両親と一緒に寝ていた。
何とかカナシと会って恋を語り合いたいと、夜毎、数ヶ月も通っていたが、とうとう最後まで会えなかった。

夜明け頃、待ちくたびれて帰る時、無念の思いから、「仲道路(ナカドーミツ)から七けら通ゆけ、仲筋カヌシャーマ、相談ぬならぬ」と唄った失恋の歌が“とぅばらーま”の始まりだといわれている。意味は「仲道路から数十回もかよったが
仲筋家のカナシ美人は一度も顔を見せてくれなかった」 ということ。
それで、囃子の部分で、「イラ、ンゾシーヌ、トゥバラーマ ヨウ(ああ、可哀想な恋しき殿方たちよ)」と返し歌がされ
ているのである。

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写真02 写真03
午後7時前、人々が続々と市民会館へ…
最年長参加者の崎山さん
とても味のある唄声です
最年少参加者の玉城さん
凛として歌う姿は17歳とは思えません
写真04 写真05 写真06
最優秀賞の具志堅さんには、会場から
「おばあちゃん頑張れ」と可愛い声援が…

優秀賞の慶田花さん出身の宮良は
素晴しい歌い手がたくさんいます

優秀賞の嵩本 さん
胸にジーンとくる唄声に大きな拍手が
写真08 写真08 写真09
努力賞の奥原さんは
関西郷友会の代表です!
歌詞の部最優秀賞と佳作W受賞の
宮良さんに大濱市長より表彰状が…
歌詞の部優秀賞の伊志嶺さん
金城さんの唄に思わず涙が…
写真10 写真11 写真12
特別賞を受賞した大浜中代表の
新城さん、堂々とした伸びのある唄声
「とぅばらーま」を歌い日本一になった
宮良康正さんが「とぅばらーま大使」に
発音の仕方や、歌いだしのバランスなど
細かく審査委員長から講評がされた

●平成20年度 とぅばらーま大会 歌唱の部 本選出場者●

本選
番号
氏名
ふりがな
本選
番号
氏名
ふりがな
1
平良  昌裕
たいら  まさひろ
13
今村  尚貴
いまむら  なおき
2
伊良皆  貴士
いらみな  たかし
14
比屋根  悟
ひやね  さとる
3
崎山  用升
さきやま  ようしょう
15
久保田  晃平
くぼた  こうへい
4
東  輝文
あずま  てるふみ
16
三浦  直信
みうら  なおのぶ
5
前花  啓充
まえはな  ひろみつ
17
石垣  文男
いしがき  ふみお
6
鳩間  一司
はとま  ひとし
18
玉城  成枝
たましろ  なりえ
7
新城  貢
あらしろ  みつぐ
19
後原  斎
あとはら  ひとし
8
具志堅  郁子
ぐしけん  いくこ
20
丸山  優子
まるやま  ゆうこ
9
上地  幸乃
うえち  ゆきの
21
嵩本  安意
たけもと  あんい
10
黒島  新
くろしま  すすむ
22
黒島  章子
くろしま  あきこ
11
慶田花  貞吉
けだはな  さだよし
23
新本  当昭
あらもと  まさあき
12
奥原  貴子
おくはら  たかこ

    入賞者表彰
 


【歌唱の部】
  最優秀賞=具志堅郁子さん
  優秀賞=慶田花貞吉さん・嵩本安意さん
  努力賞=奥原貴子さん
【歌詞の部】
  最優秀賞=宮良まさみさん
  優秀賞=伊志嶺吉子さん
  佳   作=下里徳光さん
  佳   作=宮良まさみさん
 
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取材/撮影 砂川雅世

掲載日:2008年9月16日

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